2013年7月6日土曜日

カネボウの自主回収を受けて、ハイドロキノン市場に動きはある?

カネボウさんが大変なことになっているみたいですね。
カネボウ自主回収 親会社・花王にも打撃 経営戦略に影響 
カネボウ化粧品の主力の美白化粧品の100万個以上もの自主回収によって、同社のブランドイメージが損なわれるのは避けられない。カネボウの業績だけでなく、親会社の花王の経営にも影響が及ぶ恐れがある。 
メラニンが生成される複数の過程に作用して、高いメラニン生成抑制効果を
発揮する成分「ロドデノール」。2008年に新規医薬部外品有効成分として
厚生労働省のお墨付きまで頂いてる開発品なのに残念ですね。

(カネボウ プレスリリースより)

カネボウさんが提供している↓↓白斑された手の写真なんですけど、、
手でこの状態だったら、顔は、、、考えたくないです。はい。
http://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2013/07/04/14kanebo/

【ロドデノールの作用機序】
1、チロシナーゼ活性阻害作用
2、チロシナーゼ分解促進
3、黒色メラニン生成抑制作用



しかし作用機序だけみたら、そんなに問題のある物質ではなさそうなのに、
想定以上に還元作用が強かったのでしょうか。恐らく保存、使用する過程で何らかの
誘導体へと変化して白斑を作ってしまったんでしょうけど。

不可逆的なものだったのか?他に併用していた商品はあったのか?等々、
しっかり原因調査をして貰って美容業界にフィードバックして欲しいですね、
たぶん、この一件でハイドロキノン市場に影響が出てくるはずなので。

今は亡きアーティストM.Jさんの黒いお肌がいつの日からか白いお肌に変化していた
ように、お薬で肌を漂白することは当然のようにできます。
(※M.Jさんが薬を使っていたかは不明です)
その分人体への悪影響もあるのでその類いの物質は、国によって全面的に使用禁止と
しているところもありますが、世界全体では統一されていません。

配合禁止成分:ハイドロキノン・モノベンジルエーテル
現在の法律で化粧品への配合が禁止されている漂白作用がピカイチの化合物。

メラニン色素の合成を強力に抑制する反面毒性が強く、長期的に使うと不可逆的白斑を
引き起こす危険性が知られている美白物質。アフリカ系の方々から人気が高く、
日本でも個人輸入ができちゃったりします。(自己責任の範囲内)




    ↓

この構造に似ていて、つい最近まで日本で使用禁止だった‥

    ↓

美白の主流:ハイドロキノン
2001年の薬事法の規制緩和を機に、メーカー責任のもと化粧品への使用が認められ
(規制緩和=国が責任を取らない/笑)各社がこぞって商品の開発に力を入れていた物質。




美白商品が好きな方はよく聞いた名前だと思います。
世界で最も注目されている美白成分です。

ハイドロキノンはもともと写真の現像に使われる劇薬で、肌に使用した場合の
美白効果が高いことは一部で知られていましたが、非常に安定性の悪い物質で
使用方法を間違えると肌に悪影響を及ぼすため、一度日本では使用禁止されており、
規制緩和までは医師の管理下でのみ使用されていました。
(現在日本では、配合濃度の条件付きで許可されています(市販商品))


今回のケースから、化粧品会社は
「効果はあるけど、悪影響が少ない物質」をこぞって商品開発し
効果と安全性においてギリギリの戦いをされているのだろうと想像がつきます。

美白の王様ハイドロキノンに類似する構造をもつ化合物を天然植物から探し出し
その有効成分を使って開発すれば、ある程度の安全性を保てる身体に優しい商品が
できあがりそうですが、この安全基準の設定ほど難しものはありません。
ガチガチに基準が定められている医薬品でさえ、たくさんの人が使い始めると
副作用というのは出てしまいますので、化粧品で、しかも高い効果が期待されるもので
あれば尚更、開発段階ではわからなかったことが起きるのは仕方のないことです。

漢方薬の良いところは、その生薬成分にあるのでく、長い年月を掛けて蓄積された
適度な用量や1日の上限などの定められたデータがあることだと思っています。
新しく生成された化合物はその可能性も大きいですが、副作用も未知数です。

新しい可能性とお付き合いしていくには、暫くは半信半疑で様子をみている
ぐらいがいいのかもしれません。

治療について↓↓
尋常性(じんじょうせい)白斑(はくはん)病と漢方

それにしても、
ロドデノールはメグスリノキから抽出されているんですね!!
ってことは、、、、メグスリノキ(眼関連ばかり注目していましたが。。)を
お茶として服用しているとお肌白くなっていくってことでいいでしょうか?(笑)
代謝されて違う化合物になりそうですけど、効能に収斂作用を(傷や炎症を治す)
持っているので、お肌が綺麗になるというのは証明されています。

カネボウさんが前回、開発されたマグノリグナンも生薬の「厚朴」から
抽出されています。厚朴は、行気化湿、下記除満、燥湿化痰、下気降逆の効能を
持っており、大きくわけて消化器系疾患と精神系疾患に使われるのですが
美白、、があったとは。奥深いです。

mitsueより

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